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エル・クラン

衝撃の実話! 全世界を震撼させた家族が実際に起こした事件の真相とは―?

2016年9月17日(土)新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開<br>(C)2014 Capital Intelectual S.A. / MATANZA CINE / EL DESEO
2016年9月17日(土)新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
(C)2014 Capital Intelectual S.A. / MATANZA CINE / EL DESEO
エル・クラン

監督・製作・脚本:パブロ・トラペロ
製作:ペドロ・アルモドバル アグスティン・アルモドバル
脚本:ジュリアン・ロヨラ
撮影:ジュリアン・アペスデギア
キャスト:ギレルモ・フランセーヤ ピーター・ランサーニ リリー・ポポヴィッチ ガストン・コッチャラーレ ジセル・モッタ フランコ・マシニ アントニア・ベンゴエチュア ステファニア・コエッセル

ストーリー

二つの顔を持つ裕福な家族。
彼らの稼ぎは、身代金だった―


1983年、アルゼンチンの平和な街。裕福でご近所からも慕われるプッチオ家は、父アルキメデス(ギレルモ・フランセーヤ)を筆頭に妻、息子3人、娘2人で幸せに暮らしていた。しかし、長男アレハンドロが所属するラグビーチームの一人が誘拐され、姿を消してしまう。以降、彼らのまわりで金持ちだけを狙った身代金事件が多発。犯人が捕まらず近所には不安な空気が流れる中、プッチオ家はいつもと変わらない生活をしていた。ある夕飯の時間、アルキメデスは、妻の作った料理をキッチンから食卓ではなく、なぜか2階の奥にある鍵のかかった部屋へと運んでいく。この家族には誰にも言えない秘密とは…

記者の見どころ

タイトルが“一族”を意味する、第72回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞作『エル・クラン』。アルゼンチンで実際に起きた事件を題材に、独裁政治の恐ろしさをチラつかせる快作が誕生した。

独裁体制下のアルゼンチンでは、反体制派の若者らが秘密警察に拉致されていた。しかしアルゼンチンは民主化に成功し、独裁体制側の人間は失業していった。本作に登場するプッチオ家の父アルキメデス・プッチオもその一人。しかし彼は、生計をたてるために恐ろしい手段を取ってしまう。

アルゼンチンの歴史に残る大事件が基になっており、現存する資料から再現された大事件を通して独裁体制の恐ろしさが伝わってくる。特に父と息子の関係が、作品が進むにつれて独裁者と軍隊の関係に見えてきて、この作品の非凡さを垣間みた。そういう意味では、19世紀戦時中の独裁体制の恐ろしさを知ることができる作品とも言えるだろう。

世界中の映画祭で観客賞や特別賞などを受賞するなど、そのストーリーの重厚さが世界を席巻していると言っても過言ではない。衝撃的なラストはもちろん、常に展開し続けるストーリーは圧倒的な吸引力で私たちをひきつける。実話を基にしていると知っていながらも「フィクションであって欲しい」と思ってしまうほど、見ていてつらくなる幕切れだった。

ポスターのビジュアルを見て本作が気になった方は、予告編も何も見ずに鑑賞した方が、本作のラストに驚くことができるだろう。アルゼンチンで『人生スイッチ』を超えるヒットを記録している本作。この家族に訪れる、衝撃の結末とは。